木造寄木造彩色の火天像で、鎌倉時代末期の作です。背に羽を広げ、総髪(そうはつ)、目(玉眼嵌入)をいからして口を閉じ、革よろいをつけ、左手に瓶、右手に仙杖をもち一見天狗にみえます。 愛宕神社の御神体であり、同社は防火の神として、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、火産霊神(ほむすびのかみ)一説に迦具土神(かぐつちのかみ)を祀(まつ)ります。かつては西郷谷(現在の羽黒神社付近)の鎮守として、世人の尊崇が篤かったと伝えられています。