教育・文化・スポーツ
荒川家住宅(あらかわけじゅうたく)
指定区分
|
国登録有形文化財
|
登録年月日
|
平成23年7月25日
|
所在地
|
甲地内
|
時代・時期
|
明治時代ほか
|
員数
|
3棟
|
荒川家住宅は、「荒為」の屋号で明治・大正・昭和の時代を通して商都下館を代表する卸問屋です。田町の国道50号線沿いには北面して旧店蔵が建っています。また、主屋は住まいと商談の場としての座敷や洋間が増改築され、各部屋には時代を髣髴とさせてくれるデザインが取り入れられています。土蔵は問屋時代の名残りを残す重厚な姿を見せています。平成元年に3棟ともに改修(屋根の葺き替え、外壁補修ほか)を実施して、歴史的建物の維持が図られました。
主屋(木造2階建、131m2、江戸時代末期頃の建造物)
主屋は、木造2階建、寄棟造、銅板平葺きの建物で、明治21年に木造平屋建ての住宅を買い取り、肥料・荒物・雑貨などを扱う卸問屋として開業したことに始まり、明治25年には2階部分を増築した棟札が残されています。1階客間は一般顧客用として、2階客間は上客用として書院造りとされています。また、奥座敷は賓客用として1階の和室と2階の洋間(アールデコ調)に分かれるなど、それぞれの客の立場や用向きによって使われていました。 和洋折衷の建物として、地域と時代を代表する建築の一つとして重要です。
旧店蔵(土蔵造2階建、68m2、明治時代後期の建造物)
旧店蔵は、土蔵造、切妻造、土瓦葺きの建物で、明治41年ころの建立といわれています。昭和8年に現在の国道50号線の拡幅工事により建物を現在地に引き舞いし、また、袖蔵として3階建ての洋館を増築しました。間口五間、奥行三間半で、戸締り用の蔀戸も使われています。蔵の外壁厚は300mmもあり、防火は完ぺきな状態となっています。
土蔵(土蔵造2階建、67m2、明治時代後期の建造物)
土蔵は、旧店蔵とほぼ同時期の建物です。荒川家の敷地を南北に走るトロッコレールを挟んで5棟づつ計10棟の蔵が配されていましたが、唯一この土蔵だけが残されました。高さ八尺九寸もある大扉など重量感のある建物で、商都下館の歴史的景観を代表する建物として重要です。