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大袖鎧(おおそでよろい)

指定区分
県指定文化財(工芸品)
指定年月日
昭和39年7月31日
所在地
アルテリオ3階
時代・時期
江戸時代中期
員数
1領

 

 大袖鎧は、正式には本小札紺糸威二枚胴具足(ほんこざねこんいとおどしにまいどうぐそく)(注1)といい、下館藩石川家の初代藩主 石川総茂(ふさしげ)が使用したと伝えられる甲冑(かっちゅう)です。 石川家は、享保17年(1732)、伊勢神戸(かんべ)藩から石高(こくだか)二万石で下館に国替えとなり、以降明治まで9代にわたり137年間この地を治めました。

 この甲冑は、江戸時代中期の制作で、石川家の定紋(じょうもん)「丸に三つ竜胆(りんどう)」紋の金物と、精緻な金工が各所に施され、制作年代・所有者がほぼ確定できることから、江戸期の甲冑を研究するうえで貴重な資料です。特筆すべきは、南北朝から室町初期に作られた古い時代の星兜鉢(ほしかぶとばち)(注2)と大袖(注3)を再利用している点で、これらは江戸時代においても貴重な品で、容易に入手することはできず、石川家に代々伝わったものを利用したとも考えられます。

 昭和51年(1976)保存修理を実施。平成26年(2014)現状の記録保存調査を実施しました。

 

 

(注1)本小札紺糸威二枚胴具足(ほんこざねこんいとおどしにまいどうぐそく)

本小札・・・甲冑を構成する基本的な部材で、鉄あるいは革製の細長い板を、革ひもで横にとじ合わせて、漆で塗り固めた「小札板」をいう。

紺糸威・・・小札板を紺色のひもで上下に繋ぎ合わせること。「威(おどし)」とは緒をとおすの意。

二枚胴・・・胴が前後2つに分かれており、蝶番で繋げたもの。着脱しやすい特長がある。蝶番で繋ぐ箇所を増やして三枚胴や五枚胴としたものもある。

 

(注2)星兜鉢(ほしかぶとばち)

鉢とは、頭部を守る部分であり、星兜とは、鉢を作る際、鉄板を繋ぐ部分に鋲(びょう)を打つが、その鋲の頭(星)を表面にみせたもの。一方、この星を見えないようにしたものを筋兜(すじかぶと)という。

 

(注3)大袖

大袖とは、肩から上腕部を保護する楯状の部材。この大袖は、黒漆塗本小札七段下り紺糸威である。

 

大袖鎧003 大袖鎧010

 

 

大袖全景

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